■昨日から今日にかけての原油の考察

 先週末までのパフォーマンスの悪さを振り返って、従来までのトレード法だけではダメだと判断し、今、あれこれとトレード法を模索している最中です。

 それもありまして、今回は相場予想はお休みします。代わりに原油との相関関係を調べていましたので、その辺りに触れたいと思います。


 昨年までの原油高騰を月足で見てみると、今は反発局面の後半にあたり、その反発の最後がどの辺りまで来るのかにより、為替のチャートも大きく変わりそうです。

 私が見ているのはメタ4のWTIQ9というものですが、昨年の7月に1バレル、145ドル。その後、投機筋の一角の破綻による調整のほか、OPEC原油の減産に関する決定があり、2008年末にかけて調整が続くことになります。投機マネーの熱が冷めると40ドル前半、実に3分の1以下にまで落ち込みました。

 私は一時期、ロシア株をやろうかと思案してことがありましたが、今思えばやらなくて正解でした。1バレルの原油価格が50ドルを下回る記録的な安さの裏には、産油国のロシアがいくら油を輸出しても赤字にしかならないという恐ろしさがあるからです。バイト先へ行く為のバイクのガソリン代が安くなったと喜んでいる場合ではありませんよね(^^;。
 もっとも、その後の原油安は徐々に値戻しを始めて今日の価格があるわけです。70ドル近辺が居心地良さそうに見えるのは私だけではないと思います。何事もそうですが、特に原油価格は高すぎても安すぎても経済が回りにくくなってしまいます。

 さて、原油のチャートの話に戻りますと、現在70.07ドルなので、フィボナッチ的には61.8%(大体、82〜83ドル程度)まで達していないことが分かります。私はフィボナッチ信者ではありませんが、それでも、こういう大きな流れにはかなり当てはまると考えます。ですので、月足で見た時のざっくりとした捉え方ですが、今の原油の上昇トレンドは、上下にブレることはあっても、大局の流れとしてはまだまだ(少なくとも80以上)上がるのではないでしょうか。

 次に、原油と為替の相関関係です。一般的には原油価格が変動した際にペアとなっている国同士を比べてダメージが大きい方の通貨が安くなると言われています。原油が高くなればダメージを受けるのは石油輸入国や石油へのエネルギー依存度の高い国。逆に潤う、ダメージを受けづらい国は先の条件の逆となります。


原油高でダメージを受ける国》

  米国
  日本

 スイス
南アフリカ

 ユーロ圏

ニュージーランド
オーストラリア

 イギリス

  カナダ

原油高で潤う国》


 昨今のチャートと実際の原油使用割合などを考えると、おおよそ、上図のようにまとまってくると考えられます。一番、石油を使うのは米国ですから、ワースト1に位置します。

 逆にカナダはオイルサンドがありますので精製技術の発達により、原油価格が上昇してくれれば採算が取れるようになってきましたので、最も潤う国に位置します。ニュージーランドはオーストラリアと同一と考えていますが、イギリスとオーストラリアでの比較で迷うところです。イギリスは産出量が減ってきたとはいえ、北海油田が生きています。オーストラリアは石炭を初めとした鉱物資源が原油価格に連動するので、高くなってくれればやはり潤うことになります。純粋に原油への連動性として捉えるとどちらが上かの判断は難しいところです。ここでは通貨としての人気の高さから、あえてポンドの方が潤うとしました(もし、こういったことに詳しい方、おられましたら、気軽にカキコして頂けると助かります(^^;)。

 
 ユーロから上は石油や鉱物資源はあまり期待できないので、純粋に石油へのエネルギー依存度の順番となります。


 さて。こう考えてゆくと、単純に原油価格の動きが激しい時は米ドル/カナダドル、のペアが最も影響を受けることになります。理屈が正しければ、米ドル/カナダドルのチャートをひっくり返したようなチャート=原油チャートになる筈です。

「それなら原油チャートを見て、反転のタイミングを計り、それから為替にエントリーすれば、簡単に勝てるじゃないか」と誰もが考えそうなものです。そこで見てみました。
 ある程度見比べるとお分かりの方もいると思われます。そうです。実際には原油が先に動くことよりも為替が先に動くことの方がやや多いようです。

 この相関関係は為替を見てから原油先物をやるには良いかもしれませんが、そうでないようなら直接、役には立たないことになります。
 ただ、こういった知識は後々のチャートを見比べた時、何らかの指標内容の吟味で迷った時の材料になりますので、知っておいて損はないと思います。それに多少、為替が先に動いたからと言って、原油のチャートの底堅さや、トレンドの継続性などが見え始めると為替も同一方向へ流れやすくなるのは事実です。エントリータイミングを計るのは難しそうですが、利を伸ばすかどうかの判断材料くらいにはなりそうです。そういった意味で今後、役立てていきたい部分ですね。